認知症対策、後見人

成年後見制度

成年後見制度は、認知症等で判断能力が不十分な方々の権利や財産を守り、意思決定を支援する制度です。

 

成年後見制度には、2つの仕組みがあります。

 

① 「法定後見制度」判断能力が既に衰えてしまっている方が利用する制度

 

② 「任意後見制度」将来判断能力が衰えてしまった時に備える制度

法定後見制度

 成年後見人等に、判断能力が不十分な方に代わって、財産管理や、施設入所の契約等の身の上監護等を行ってもらう制度です。

 

 法定後見人制度の利用を開始するためには、家庭裁判所への申立て手続きが必要です。また、判断能力が不十分な方を支援する成年後見人等は、原則家庭裁判所が誰にするかを選びます。

 

本人の判断能力の程度に合わせた3つの類型

①後見 (約8割) 

 判断能力が全くない

②保佐

 判断能力が著しく不十分 

③補助  

 判断能力が不十分

 

 これらの3つの類型に分かれ、精神上の障害の程度によって分けられています。

♦法定後見人とは♦

 

成年後見制度を利用する際に選任される成年後見人等のことで、判断力が衰えた人の生活や医療、看護などを法律面からサポートする役割を持ちます。認知症になると法律行為が制限されるので、医療や介護関係の契約ができない、または不要な契約を結んで財産が流出するなど、さまざまな不都合が生じるでしょう。

♦法定後見制度を利用する♦

 法定後見人が以下の業務を代行してくれます。

・身上監護:本人に必要な医療や介護などの契約を代行

・財産管理:本人の預貯金や不動産の管理を代行

 

法定後見人は、一般的には「成年後見人」「保佐人」「補助人」と呼ばれており、家庭裁判所によって選任されますが、親族や知人に適任者がいれば、候補者として推薦することも可能です。

 

◇法定後見人は被後見人の法律行為を代行し、財産管理もおこなうため、一般的な常識はもちろん、ある程度の専門知識も求められます。

 

◇以下のような人を法定後見人の候補者に推薦すると、家庭裁判所に選任される可能性があるでしょう。

・法定後見制度の仕組みを十分に理解していること

・財産管理に責任を持てること ・家族に反対されていないこと

・被後見人の近隣に住まいがあること ・住宅ローン以外の借金がないこと

※裁判所が後見人を選任します。

家族や知人に適任者がいないときは(法定後見制度で家族が後見人になれるケースは約2割程度)、弁護士や司法書士など法律の専門家が成年後見人になるケースがほとんどです。そのため赤の他人がいきなり財産を管理することとなるためトラブルになることもあるようです。